文春オンライン 6.23
https://bunshun.jp/articles/-/55394
“パパ活疑惑”で自民党を離党した吉川赳衆院議員(40)は、比例復活で議席を得ているため、議員辞職を求める声が与野党から上がっている。吉川氏が議員辞職した場合、昨年の衆院選で自民党比例東海ブロックで次点だった木造燿子氏(30)が繰り上げ当選となるはずだったが、6月17日付で自民党を離党し、比例名簿から削除されたことが「 週刊文春 」の取材で分かった。
自民党関係者が明かす。
「実は、吉川氏がもし議員辞職したら、本当は困ると自民党の関係者は頭を悩ませていました。というのは、木造氏は何らかの問題を抱えているようなのです。それで、吉川氏が辞職して彼女が繰り上げ当選したら、またスキャンダルが出て、火消しどころか、かえって火に油を注ぐことになる、との噂でもちきりなのです」
木造氏は、岐阜県各務原市にある東海学院大学を卒業後、金属加工製造業社や地元の広告会社を経て、現在はデザイン業をしていると周囲に説明していた。
「ただ、政治経歴は『ぎふ政治塾』の塾生だった程度。地元の野田聖子衆院議員が推して、比例名簿に登載されたと言われています。同じ岐阜県連の国会議員も知らないうちに名簿に載っていたとか」(同前)
地元・岐阜で取材を進めると、ある県議はこう語った。
■自民党の比例名簿から消えた女性候補
「確かに、吉川氏が辞職しても、木造氏は繰り上げ当選を辞退する、という話は県連から聞きました。ところが、彼女に話を聞こうとLINEやメールをしても一切返事がないんですよ」
小誌も、木造氏に電話などで取材を申し入れたが回答はない。そこで、所属する自民党岐阜県連にも、離党したか否かについて尋ねたが、「個人情報なので答えられない」との回答だった。
総務省自治行政局選挙部管理課に確認すると、次のような回答があった。
「木造氏については、当該衆議院名簿(令和3年衆院選比例東海ブロックのこと)の届け出政党等に所属するものでなくなった場合の届け出が提出されています。日付は6月17日です」
6月17日といえば、吉川氏に議員辞職を求める声が高まっていた時期だ。議員バッジを目前に、自民党の比例名簿から消えた女性候補。
木造氏が通っていた会計塾の関係者はこう語る。
「メディアから私の所に問い合わせがあったので、彼女に連絡すると、『事情がありまして。いつか時が来たらお話しします』とメールがありました」
国政選挙の比例名簿を巡っては、6月15日に、公明党が衆院選比例東京ブロックに擁立していた候補が、違法なわいせつ動画を多数公開していたことを受けて、名簿から削除されたばかり。なぜ、吉川氏の議員辞職が取り沙汰された直後に、木造氏が比例名簿から消えたのか。参院選にも多数の候補を擁立している自民党の説明責任が求められそうだ。
「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年6月30日号
https://bunshun.jp/articles/-/55394
“パパ活疑惑”で自民党を離党した吉川赳衆院議員(40)は、比例復活で議席を得ているため、議員辞職を求める声が与野党から上がっている。吉川氏が議員辞職した場合、昨年の衆院選で自民党比例東海ブロックで次点だった木造燿子氏(30)が繰り上げ当選となるはずだったが、6月17日付で自民党を離党し、比例名簿から削除されたことが「 週刊文春 」の取材で分かった。
自民党関係者が明かす。
「実は、吉川氏がもし議員辞職したら、本当は困ると自民党の関係者は頭を悩ませていました。というのは、木造氏は何らかの問題を抱えているようなのです。それで、吉川氏が辞職して彼女が繰り上げ当選したら、またスキャンダルが出て、火消しどころか、かえって火に油を注ぐことになる、との噂でもちきりなのです」
木造氏は、岐阜県各務原市にある東海学院大学を卒業後、金属加工製造業社や地元の広告会社を経て、現在はデザイン業をしていると周囲に説明していた。
「ただ、政治経歴は『ぎふ政治塾』の塾生だった程度。地元の野田聖子衆院議員が推して、比例名簿に登載されたと言われています。同じ岐阜県連の国会議員も知らないうちに名簿に載っていたとか」(同前)
地元・岐阜で取材を進めると、ある県議はこう語った。
■自民党の比例名簿から消えた女性候補
「確かに、吉川氏が辞職しても、木造氏は繰り上げ当選を辞退する、という話は県連から聞きました。ところが、彼女に話を聞こうとLINEやメールをしても一切返事がないんですよ」
小誌も、木造氏に電話などで取材を申し入れたが回答はない。そこで、所属する自民党岐阜県連にも、離党したか否かについて尋ねたが、「個人情報なので答えられない」との回答だった。
総務省自治行政局選挙部管理課に確認すると、次のような回答があった。
「木造氏については、当該衆議院名簿(令和3年衆院選比例東海ブロックのこと)の届け出政党等に所属するものでなくなった場合の届け出が提出されています。日付は6月17日です」
6月17日といえば、吉川氏に議員辞職を求める声が高まっていた時期だ。議員バッジを目前に、自民党の比例名簿から消えた女性候補。
木造氏が通っていた会計塾の関係者はこう語る。
「メディアから私の所に問い合わせがあったので、彼女に連絡すると、『事情がありまして。いつか時が来たらお話しします』とメールがありました」
国政選挙の比例名簿を巡っては、6月15日に、公明党が衆院選比例東京ブロックに擁立していた候補が、違法なわいせつ動画を多数公開していたことを受けて、名簿から削除されたばかり。なぜ、吉川氏の議員辞職が取り沙汰された直後に、木造氏が比例名簿から消えたのか。参院選にも多数の候補を擁立している自民党の説明責任が求められそうだ。
「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年6月30日号